あなたは何のために診断士の資格を得たいのですか?

せっかく難関な診断士の資格を取得しても
5年ごとにある資格の更新をせずに
休止してしまう人が増えているようです。

まず資格の勉強をする前に
「何のために自分は診断士になりたいのか?」
そう自問して明確な答えがあるのでしたら
本腰を入れて勉強を開始してほしいと願います。

こちらは論文のPDFになります。
以下その要約になります。

「統計からみる中小企業診断士における資格休止者の実態」

著者:川村 悟
(2022年、日本経営診断学会論集 第22巻)

研究の目的

中小企業診断士の
「資格休止者(登録は休止している人)」
が増加していることを問題視し、

「どのような人が資格を休止しやすいのか」

を統計資料から明らかにすることを目的とした研究です。

資格休止者が増えると、
中小企業支援を担う人材が減少し、
制度全体にも悪影響を及ぼす可能性があると指摘しています。

分析方法

アンケートではなく、
以下のような公的統計・既存資料を分析しています。

・中小企業庁の統計
・中小企業診断協会のデータ
・過去の研究
・各種資料

これらを組み合わせて
休止者の特徴を抽出しています。

主な結果

資格休止者には
次の3つの特徴が見られました。

① 40〜50代が中心

最も多いのは40代・50代。

この年代は

・仕事が忙しい
・家庭の責任が重い
・更新要件を満たす時間を確保しにくい

などの事情を抱えやすいと考察しています。

② 民間企業勤務者が多い

休止者には
企業内診断士(会社員)が多い傾向があります。

理由として

・診断士業務を本業にしていない
・更新に必要な実務機会が少ない
・会社の仕事が優先される

ことが挙げられています。

③ 自己啓発目的で資格取得した人が多い

資格を

・昇進
・学習
・キャリアアップ

など自己啓発目的で取得した人は、
取得後に資格を積極的に活用せず、
そのまま休止してしまうケースが少なくないと考察しています。

典型的な資格休止者像

論文では典型例として

「自己啓発志向が強い40〜50代の民間企業勤務者」

を提示しています。

なぜ休止するのか

論文から読み取れる主な理由は次のとおりです。

・独立する予定がない
・会社員として忙しい
・更新要件を満たす時間がない
・診断士として活動するメリットを感じなくなる
・資格取得そのものが目的になってしまう

つまり、

「資格を活かすキャリア設計が十分でないこと」が休止につながりやすい

という示唆が得られます。

著者の提言

著者は、

・資格取得後のキャリア支援
・活躍できる場の提供
・更新制度や活動環境の整備

が重要だと述べています。

資格取得者が活動を継続できる環境づくりが、
中小企業支援の充実につながるという考えです。

この論文から得られる示唆

資格取得を目指す人は、
「合格」がゴールではなく、
その後どう活用するかを
あらかじめ考えておくことが重要です。

特に会社員の場合は、

・副業として活用するのか
・社内で専門性を生かすのか
・将来的に独立を目指すのか

といったキャリアプランを持っている人ほど、
資格を維持・活用しやすい可能性があります。

これは論文の統計的分析から導かれる実務的な示唆です。

(以上)

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